十三時過ぎ、一人の女性が搬送されて来た。
顔を見るとあのバイク事故で亡くなった男性の身重の婚約者の女性だった。


「十九歳女性。妊娠十週八週、自宅にて破水した模様です」

その週数で破水…このままだと赤ちゃんは助からない。


「直ぐに杉崎先生を呼ぼう」

「はい」

仙波さんは慌てて産科医・杉崎先生に連絡を取る。
俺と他のメンバーで彼女の処置を始めた。
「先生…」
彼女は意識があり、俺をジッと見ていた。
「大丈夫…」
この子の父親は助けられなかったが、この子はどうしても救いたかった。

「高木先生!!杉崎先生は今オペ中です!!」

仙波さんがトンボ帰りして慌てて俺の元に戻って来た。

「…高木先生。槇村先生を呼びますか?」

「そうだな…頼む」

でも、時間は十三時過ぎ、槇村も忙しい身だ。診察を終え、東亜に帰ってる頃だな。