あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
1歩前に踏み出せない自分
次の日、あんこさんには、改めて榊社長の会社に配達に行くように言われた。


榊社長にそれを伝えると、月曜日の昼だけは社長室にいるからと…


『本当に自分が配達に行ってもいいのか?』っていう複雑な気持ちはまだ残ってるけど、とにかく毎週月曜日、11時半に焼き立てのパンを届けることになった。


「こんにちは」


「あ、君は…」


「すみません。来ちゃいました」


この笑顔…


イチゴの彼だ。


「来てくれたんだ。この前はありがとう。渡辺君が拾ってくれたイチゴ、すごく美味しかったよ」


私は、笑顔でお礼を言った。


「名前覚えてくれて有難いですけど、僕のこと渡辺って呼ぶ人いないんで…希良でお願いします」


ニコッと笑う顔…


何という眩しさ。


「あ…うん。じゃあ、希良君」


案外、サラッと呼べた。


今風のカッコいい名前だから?


それとも、希良君のキャラクターのせいかな。


「僕も名前聞いていいですか?」


「あっ、言ってなかったよね。私は…」


「美山 雫で~す。25歳、独身です。よろしくね」


私の後ろから突然出てきて果穂ちゃんが言った。


すごく可愛い声と笑顔で。


「ちょっ、ちょっと果穂ちゃん。独身は余計だから」
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