あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
桜の季節、それぞれの思い
今日は雨。


桜…この雨で散ってしまうかも。


もうすぐ大好きな季節が終わってしまう。


少し、寂しい。


「今日は暇ですね~」


「雨だしね。結構降ってるから」


時計は13時半を回ったところだ。


ランチが終わって、今は『杏』にはお客様が誰もいなかった。


「こんにちは」


「あ! 東堂社長~お久しぶりです」


果穂ちゃんが元気に手を振る。


「果穂ちゃん、雫ちゃん、あんこさん。こんにちは」


50代半ばくらいのダンディな東堂社長。


私達に、いつも優しく声をかけてくれる。


「東堂社長、今日はどしたの? 私に会いにきた?」


「そうだよ。たまにはあんこさんの顔見ないと元気出ないからな」


「嬉しいこと言ってくれるじゃない。じゃあ、たくさんパンも買っていってね」


東堂社長とあんこさん。


本当にお似合いだ。


美男美女で…


あんこさんの好きな人は、やっぱり東堂社長なのかな。
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