26歳のWEDDING

穂乃香26歳のウエディング

もう我慢ならない‼
プンスカプンスカ怒っているのは
愛羅穂乃香26歳

穂乃香には、高校の時から付き
合って10年になる彼氏がいる。
一応、結婚を前提に同棲している
はずと、思っていたのは
穂乃香だけ?

今日友人の結婚式の案内状が
彼氏、坂口陽仁(あきひと)と
私(穂乃香)の二人に届いた。

勇人の彼女は穂乃香が、紹介した
仲良しの茉奈(まな)だった。
甘ったれの勇人にはお姉さん系で
甘やかしたいタイプの茉奈が
ピッタンコ‼

まだ半年しかたたないのに、
もしかしたらデキ婚かも知れない。

私達は嬉しくなりお互いの友人
坂口勇人(はやと)に電話したのは
良かったがこんな事になろうとは
思ってもいなかった。

「おう、勇人おめでとう
え?ヤッパデキ婚か━━━━━‼

ミスったか、バカジャネ━━━━アハハ
ゴールイン‼
オメデトウ━━━━ッス‼」

結構のんびり屋の勇人が陽仁より
先に結婚するとは誰もがビックリだ‼
「え?俺と穂乃香?
まだまだって言うより10年も
一緒にいたらさぁ━━━━アハハ
無理ってかサ、ねーちゃんとか
妹みたいな、家族になってて‼」

「は?」💢ピキピキ
隣で聞いていた穂乃香は
苛立ちを押さえるのに必死‼
そんな事もお構いなく
陽仁はぺらぺらぺら~と
楽しそうに喋る喋る!

「そうそう、は?穂乃香に?

俺が?まさかぁ━━━アハハハハ‼
ってかドキドキなんかした事
ないよアハハ
今更だろう━━━
付き合う時も何となくだったし
そうそうアハハハハ
好きとか確認してね━━━━━し」

「は?イライラ」

陽仁と勇人の楽しそうな、
長電話はBGMのように穂乃香の
耳に流れて来た。

確かに私は顔も普通かも知れない
美人じゃないから
陽仁をドキドキなんかさせれる
わけは無いけど、それでも私を
好きなんじゃなかったの?
何となくって・・ナニ?
本気で言ってんの?

彼女飛び越して家族認定されて
いたのか?。

個々で事を荒立てたら
別れる事になるのかな?

私は、私は陽仁が好きなんだよw
まだ別れたくない‼

陽仁のマッシュウルフで
ブランウンの柔らかい髪も大好き

切れ長の目で、
じ━━━━━っと見られたら
┣“キ┣“キするよ。
陽仁を10年経っても
好きなんだけどなぁ~‼。

ス━━━ツ姿はめっちゃカッコイイし
陽仁は言わいる、イケメンだし‼

確かにモテているのは知っていた。

陽仁の為に料理学校にも内緒で
通って、家事も完璧に
こなしてるつもりでいる。
彼の我儘も可愛いと思うし

土日祭日に陽仁が別行動で
遊びに行くのも仕方ないと
思ってきた。

若いから、がんじがらめに捕まえて
嫌われたくないし・・
そう思って多少の遊びは耐えて来た。

『ふぅ➰
家族扱いされていたからか‼
私は家族だったんか━━━━‼
そりゃー違う女とデートするわな!』



楽しげに電話を切った陽仁は
「オッ、トイレトイレ」
とスマホを⌒゜ポイッとソファーに
投げ捨て、ご機嫌でルンルン

マナーモードにしているのか
ブンブン震えるスマホを穂乃香は
チラッと見てしまった。

「旅行楽しみだね~
ホテル予約取れたよー」
のハートだらけの絵文字

「オッオッ」と言いながら慌てて
トイレから帰還した陽仁は
スマホを見られたかと
心配したのか?
チラッと穂乃香を見たけど
洗濯物を片付けながら鼻歌を歌う
穂乃香に気もとめず

「チョイ、コンビニ行って来るワ。」

そう行って出て行った。
窓を開け見上げる空は鱗雲が流れて
ちょっと涼しい風が吹いて
穂乃香の折れそうな心をすり抜けて
行った。

タオルを握りながら
ふ━━━━っと息をする。
『きっとさっきみたいに楽しく
女の子と電話しに行ったんだなぁ
わっかりやす‼』
積み重なった洗濯物を見ながら
呟いた。

しばらくすると陽仁は
穂乃香の好きな、サンドイッチと
牛乳を手土産に帰って来た。
如何にもコンビニ行って来たよ
と証明するみたいに、でも
マンションから五、六歩のコンビニに
1時間いるか?
何を買うか悩んでも普通
2、30ジャネ?

「ふ~ん、ありがとう。」
穂乃香もタヌキだ、知らんフリ
して又この危機を乗り越えようと
している。



そして土曜日の今日、陽仁は友達
とフットサルをしに出かけて行った。
朝の情報番組のテレビを見ながら
ご飯に納豆を混ぜ混ぜ‼
陽仁の玄関先での言葉を思い出す。

「晩御飯は要らないから
飲んでくるカモだから寝てて‼」
そんな話も嘘だって分かっている。


「はーい、気を付けてね。
怪我しないようにね。」

「おう。」
バタバタと部屋を出ていく陽仁を
ニコニコしながら見送った。
パタンとドアが閉まると顔はパッと
不安な顔にもどる。

『何をしょうかなぁ
多分陽仁は明日の夕方迄帰らない。』
バックの中の結婚情報誌を丸め
ゴミ箱にポイ‼



「アンタ《《バカか?》》」
月曜日、つい最近結婚した先輩
由美子に相談した。

「え?バカ?ですか?」

「ウンウン!ば━━━━か‼」
頷きながら乳酸菌飲料をゴクゴク
喉を鳴らしながらゴックン。

由美子先輩は銀行に務める穂乃香
の一つ先輩で今妊娠4ヶ月

旦那さんは別支店の支店長で
カチカチの真面目な人

遊び人だった先輩は旦那さんみたいな
人が珍しく惹かれて惹かれて
猛アタック‼な経歴を持っ強者、
過去は過去で色々あったみたいだが
穂乃香には逞しい先輩だった。

お昼休憩中に思い切って話てみた。

「はあぁ‼ 」

由美子先輩は顔を引き攣らせ

「アンタ、彼氏のお母ちゃんか?
アホちゃうか‼
家事して食事作って・・
日曜、祭日は留守番?
番犬もやってるんか?」

「え?かーちゃん?
番犬?」

「それに、この弁当なに?」

「え?へんですか?」

「凄い美味そうだしパクッ
ウンマ、ウマ、ウマ━━━ア」

「え?良かったらどうぞ」
穂乃香はズズーッと弁当を先輩の
前に推しやる。

「食欲ないんで‼」

「うわぁー、じゃあこのパン
あげる。」
悪阻の収まった先輩は食欲が倍増
されたみたいでガリガリした
身体はどうなるものかと思ったが
心配は要らなかったようだ。

「私もね、都合のいいキープ君、
居たけどまぁ便利なのよ~!
何でもやってくれるし
手放したく無かったわよ━━━
でもね、今の旦那に会って
キープ君は都合良かったけど
幸せじゃ無かったかなーって
思ったんだァ、

今の旦那も家事は
下手だけど頑張ってやってくれる
し、でも凄い嬉しいんだよね!
幸せを感じるのよ。」

「・・・」

「穂乃香、言いたい事わかる?」

「・・・それって」
穂乃香はポッリと呟いた。

「彼が好きなんだね、でも彼は
穂乃香の事どう思ってるのかな?」

「多分・・・都合のいい・・
家政婦かも知れません。」

「\ピンポーン/私もそう思うよ!
聞いてみたがいいんじゃないかな?
結婚を考えて同棲したんなら
きっとちゃんと答えてくれるよ。

今もその約束は有効か?
ちゃんと聞いてみなさい‼
確かめて見ないと、大事な20代は
返って来ないよ。
もったいな‼」

「もったいな‼」
それを強調した先輩の言葉が眠って
いた脳ミソに突き刺さった。

その日は陽仁の好物の
ミートローフと、アンバランスな
筑前煮、ズラァァァァァァァァァっと
作り過ぎたカモな料理が並ぶ

デザートには陽仁の好きな
アップルパイ今の林檎は旬

そう穂乃香は有給をとった。
明日から陽仁の待ちに待った三連休
➕有給、今日は最後の晩餐か?って
気持ちで陽仁の好物を作った。

これで陽仁が思い直してくれるカモ
微量の期待をして頑張った。

会社の慰安旅行と本人は言っている。
日本でも有名な温泉地‼
と、本人は穂乃香に伝えていた。

「いいなぁ~陽仁ばーっかり」
陽仁の顔を見たらツイ思った事が
ダダ漏れ

「大丈夫だって、今度親父達も
呼んで家族旅行に、行くぞ!
場所は穂乃香にまかせるからサ」

「そっかーじゃあハワイなんて
いいよね。」

「え?Hawaii」

「ソッHawaii
ん?どーしたのミートローフ
もっと食べたら?
大好物じゃん。」

「あ、えへへあ‼
な、なんでハワイなんて言うの?」

「別に‼
連休の後に有給なんか三日付けて
ゆっくり休みたいよね━━━
ハ・ワ・イ・で‼」


「そ、そ、;;゚;3;゚;;そうだな!
そのうち金が貯まった、たたら
い、行くか?(笑)」

「結婚式費用貯まった?
ソロソロ、考えようよ━━━━
旅行なんて無駄使いかもよ。
私はもう決めた金額迄行きそうだよ。」

「あ、ああ?、あれ?え!!
いくらだっけ?」

「え?━━━━ヒドイ
忘れた?陽仁が6百万、新居費用
も入れて‼、私が3百万だヨ。
マンションの頭金や色々必要って
話たじゃん。
そのために食費は私で家賃は半分こ
だから結婚費用は陽仁が
貯金しやすいようにって話合った
でしょ。」

「あ‼ そうだったっけ‼」
陽仁はこのマンションを決めた日の
決め事を思いだした。

節約家で、確り者の
穂乃香の通帳は、三百万はとうに
越していた。


「ねえ、陽仁、通帳見せて‼」

「え?あ、俺通帳ない
ネットバンクだからさ笑」

「あ、じゃあさ暗証番号教えて
ログインするから」

「いやいや、パソコンには
色んなデータ入ってるし
ミスしたら大変だからさ・・・

無理言うなよ💢

まだ、夫婦じゃないんだからさ!
別に見せなくったっていいじゃん。」

「俺、出てくる‼」
食事の途中なのに陽仁は出て行って
夜中に帰って来た。

穂乃香もやる事があったし
寝たフリして寝ていたら朝になった。
もう限界を感じてしまった穂乃香に
やる事って一つ‼

「おはよう。」
焼き鮭の匂いと味噌汁の匂い。

「昨日は悪かったコレ」
陽仁が差し出したものは袋に入った
お金だった。

「え?何?コレ」

「ン、10年分の食事代と生活費
すっかり忘れてて悪かったな‼
これで結婚式、あと数年伸ばして
欲しい。」

「200万?」

「ちょっと足りないかもだけど
コレで勘弁して‼」

「ソッ‼ 陽仁なりのケジメ?
分かった(笑)」

何時もの穂乃香の笑顔に安心した
のか、陽仁はホッとしていた。

結納を交わした訳じゃない。
口約束の軽い会話の約束事

あの日の約束、彼が本気なら
浮気旅行は行かないはず‼
いや行けないはず 。



「俺ら将来結婚するから
一緒に住もう。」
10年前の軽い約束‼
あれからクリスマスプレゼントも
誕生日プレゼントも無しと決め
全部預金に回して来た。

穂乃香の人生は全て陽仁と結婚
する為と頑張って来た。
振り返ると外で映画を見る事も
なくDVDで済ませたり
ディナーに行く事もなく・・・
はあ
陽仁からの謝罪金は頂く事にした。
光熱費を入れたらこれじゃ
たりない。

「じゃあ、1週間後帰るからー
アレ?」
陽仁は玄関に置いてある穂乃香の
キャリーバッグにやっと気付き

「アレ穂乃香も旅行?」

「うん。出ていくのよ、‼
ほら陽仁遅れるよ!
急がないと、タクシー呼んで
あるから」

「おう、そうだな笑
気を付けていけよ。」

「うん、陽仁もね。」

陽仁はバタバタ急かせる穂乃香に
時間が無いのかそそくさと
会話の意味も深く考えずに
タクシーに乗り込み、
見送る穂乃香に陽仁も手を振った。

空港には今年入社した可愛い
後輩が待っている。

気分もなるほどハイになる‼

ハワイに行きたいとせがまれ、
仕方なく承諾。

甘ったれな美紗は可愛くて
何でも、そつ無くこなす穂乃香より
支えてあげたいタイプ‼

勇人の結婚が決まり穂乃香の友達も
結婚ラッシュにベビーラッシュ
穂乃香もソロソロな年頃、

彼女の美紗に、俺も穂乃香と
結婚考えているって言ったら
泣かれた。

それで結婚はまだナシ

思い出作りの婚前旅行
相手は違うケド
まだまだ独身でいたい俺には
普通の旅行ダナ!!

コイツと、別れるつもりは無いし
別に泣かせるつもりも無かった。
結婚はしても関係も続行の
つもりだった。

美沙も若い彼氏がいるし
俺も身の回りの世話、料理上手な
穂乃香を、親も気に入ってるし
今更手放したりしない。

楽しく遊ぶ彼女と
家を守る彼女、
どっちも大事


穂乃香は俺に惚れてるし
結構鈍感、今までだって穂乃香に
バレ無いように遊んで来た。
この関係に、美沙も賛成している、
お互い大事な人は別にいる。

こんな、お遊び大した事じゃない。
結婚前の人生だし、楽しんでも
罪じゃないんだからサ、

まだ俺達
結納も指輪も買ってはいない
まして、両親にも挨拶は
していない。
学生の頃からだから親は
穂乃香を知っている。

でも、まだお互いフリーなんだ。
今楽しまなくていつ遊ぶんだ‼








「荷物はこれだけ?」

「はい。先輩、支店長ありがとう
ございます。」

「アンタこんな遠いとこから
来ていたの?
本物のバッカじゃない。」

「フフッですね。
彼の会社がこの辺なんです。」

「知ってる嘉元製薬会社の
エリート営業マンなんでしょ。」

「あれ?凄い‼
よく分かりましたね。」

「まあ旦那が口開けば
情報は入って来るのよ、勿論
私にしか話さないけどね。
彼、口は硬いから聞き出すの苦労
したのよ。」



私は先輩の旦那さんが運転する
軽トラに荷物を乗せて
先輩の住む近くの
アパートへと引っ越した。
先輩の体が心配だったけど悪阻の
良くなった先輩は、一番元気‼
先輩の毒舌を聴きながら
見慣れた景色が消えて行く。

もう、隣に陽仁は居ない
そんな事を思ってしまう。



ハワイに付いた俺は穂乃香に
連絡を入れた。
長い時間連絡出来なかったから
心配性な穂乃香を安心させたかった。
「ん?」
しかし穂乃香からの連絡は
帰って来なかった。
それは二、三日続き、流石の俺も
心配になっていた。
楽しいはずの旅行も、楽しくなく
早く帰りたい気持ちに
かられていた。

「おう、陽仁か?
お前ら別れたんだってな‼」
咄嗟に電話口で勇人が叫んだ!

「え?何言ってるんだよ。
んなわけ無いだろ!
何言ってんだよ‼
縁起でもない。」

「だってお前、今後輩の子と
ハワイ旅行らしいじゃん。
穂乃香ちゃんからLINEもらって
茉奈が愚痴ってたぞ!」

ザ━━━━━━━━━━ッ‼
頭から血の引く音がザーザー。
その後にクラクラ
マンション出がけの時見た
穂乃香のキャリーバッグ?
あれは・・・💦

アッ‼ そう言えば・・・

「 出ていくのよ!」

穂乃香・・・は、
そう言って無かったか?
旅行に出て行く、じゃなくて
マンションを出て行くって言って
たのか?

陽仁はキャンセル待ちを空港で
待ったがキャンセルは出なかった。

結局、美紗と一緒に帰るハメに
なった。

「もう、陽仁さんには幻滅
そんな大事な彼女なら浮気なんて
しなければ良かったじゃない。
せっかくのハワイ旅行
つまんなかった〜
今度はグアムか、ニュージーランド‼
だからねっ💢」

彼女が横で喚いていたが俺には
何も届かなかった。

10年一緒にいた穂乃香が俺と
別れる決心をしていたなんて
信じられない。
きっとプンスカ怒って
「おかえりー」って迎えてくれる
はずだ、きっと・・・

いや穂乃香はハワイ旅行を知ってた。
なんでバレた?


「アハハわっかりやすいですよ。
支店長いや、長瀬さん。
陽仁のスマホに
ピカピカライトが連打で来るし
陽仁は急にニヤニヤしだすし

陽仁の携帯とパソコン繋げば
LINEも見れますしね。
学年一位だった事、陽仁忘れ
ちゃったんですかねぇー🍺ヒック
私、
頭、結構いいんですよぉ━━━━アハハ
バカなフリしてて見逃して
来たんです。
でも私旅行も遊びも行きたい所
我慢して、我慢して
なぁ━━━━━のにぃHawaii
許せなかったんデッス‼」

「そお━━━━━━かぁ許せん‼
そんな男、捨て捨てぇ━━━━ろぉ
穂乃香ちゃん、由美子にも
浮気しないように言ってくれ
コイツモテてね、俺心配~い。」

飲めない2人の酒は直ぐ回り
ザルなのに禁酒な由美子は人差し指
をおチョコに付けてぺろぺろ!
産むまで我慢、産む迄我慢‼
禁酒と戦っていた。

その頃陽仁は勇人のマンションへ
と足を延ばしていた。

「お前、しょうもな‼」

「ホント、穂乃香が可哀想。」

あんなに陽仁さんに尽くして
いたのに何やってんの‼
茉奈も陽仁を攻めてくる

「何処に行ったか知ら無いか?」
必死の形相に勇人も胸が痛い。

「家を出たって話は聞いたけど
場所は分からないな‼」

「もう諦めたがいいですよ。
穂乃香は決めたら揺るがない奴
なんですからね。」
茉奈は結構厳しい口調、陽仁が
穂乃香にした事を考えたらそれも
仕方が無い事だろう。

勇人もツイくちがすべる。
「ホント、頭が良くて気が効いて
料理が上手くて優しくて

あ、アア勿論
茉奈が俺は1番だからな!」

「分かってるって‼
私も穂乃香好きだもん。」

「お前、穂乃香ちゃんには
ドキドキしないって
言ってたじゃん。
浮気彼女にはドキドキして
いたのか?」

「ああ、多分‼」
俯きながら答える陽仁に、茉奈は
又イライラ

「じゃあそっちと付き合えば!」

「違う、穂乃香には安心していた
穂乃香がいるから、遊んだ浮気
出来たんだ。」

「安心して・・・か?」
勇人は呆れながら呟いた。

「お前の多数の、浮気彼女見ても
皆知らん振りしてくれてたもんな!
でもな、ほんとに知らん振りなんか
して無いぞチクる奴もいるし
全部知ってるぞ、彼女」

「う・・・そだろ?」

「お前ホントのバカだよな━━━‼
俺らの彼女が教えないワケ無い
だろ‼ フットサルの飲み会にも
クリスマスのイベントにも
取っかえ引っ変え連れて来て
いたろうが!

まぁモテるから仕方ないのカモ
知れないけど彼女はどんな気持ち
だったんだろうなぁ~

大学の延長みたいな付き合いに
お口はチャックなんて通じないぞ」

「え?喋ったのか?」

「第一、イベントに穂乃香ちゃん
じゃない子を連れてくる事じたい
噂の種なんだよ‼
人の口に戸は立てれねーよ。」

ぐんなりと蹲る陽仁にはいい薬かも
知れない。
最後のトドメを茉奈が刺す!

「もう散々穂乃香に心配かけた
じゃん。
これから先は穂乃香の幸せを
祈ったら?
あんなにいい子が彼氏いないって
知ったら、みんな飛び付くわよ。
銀行マン、取引先の商社マン
世話好きな上司の紹介なら穂乃香は
断り切れないしね━━━━━━ぇ
お気の毒様。」

けちょんけちょんのペッタンコに
やられながら、陽仁は妙に
納得していた。

穂乃香みたいな女は・・・
いない。

穂乃香のいないマンションに帰り
慣れない手つきで家事をする。
ただいまとドアを開けると夕食の
匂いとエプロン付けた穂乃香が
飛び出して来たっけ‼

何もない部屋に穂乃香の声がする。
「今度日曜日買い物行こう」
「何がたべたいーい?」
「美味しい?良かった‼」

あの頃に戻れ無いか・・・
シャッはクリーニングにだし
コンビニ弁当を買って帰る
ハツラツとして人気No1だった
陽仁は、激ヤセしたかと思えば
激太り、勝手のエースは、見る影も
無くなっていた。

穂乃香の陽仁への気遣いが
垣間見れる。
10年間陽仁を支えて来ていたんだ

陽仁は、家に帰る時、期待を込めて
開けるドアから穂乃香のおかえりー
は聞こえない。

『だよな‼』

秋風が冷たい風に変わり

春が来て穏やかな花びらが
飛び交う頃
迎えた勇人と茉菜の結婚式
ホテルの一室で穂乃香は
微妙な顔をしていた。

「穂乃香」
腕を握られ振り向けば?
《《だれ?》》
丸々と肉ついた男が立つていた。

シヤッもパンパン、ズボンもパンパン
テカテカと光るおデコに汗が
滴るマサカ?

「陽仁?」
「うん。」

「陽仁、どうしたの?
変わり過ぎだヨ。」

「ゴメン、穂乃香・・・
コンビニ弁当とか外食繰り返し
てたらこうなった。」

「彼女は?付き合ってないの?」

「・・・付き合ってないよ
本気じゃ無かったし、あれから
会う気も起きないし
会ってない‼」

さめざめと陽仁を眺め穂乃香は
「陽仁、私揚げ物はオリーブ油
とか貴方の健康を考えて
揚げてたのよ。
野菜を多めに取るようにハンバーグ
にも野菜を小さく刻んで混ぜ込んで

酢の物とかも色々工夫していたの、
陽仁って好きな物ばかり食べるから
ヤバいのよ!」

「そうか・・・
だよな!ありがとう。
それに本当に申し訳無かった。」

「もういいよ。
早くいい人みつけてね。」

「穂乃香は?」

「うん?」

「穂乃香は恋人出来たのか?」

「うん。
今2ヶ月なの、先輩の旦那さんが
紹介してくれた人がいて
デキ婚なんだ。」

「・・・」

「茉奈達より早く入籍したのよ。」

「そ・・っか?
赤ちゃん順調なんだな‼
お、おめで・・⤵」

「・・・陽仁?」

「本当は、嫌だ、穂乃香が
結婚なんて嫌なんだ‼
でも・・俺が穂乃香の手を
離したんだ、だ・・・から
我慢しなきゃいけないって
頭では分かってる・・

でも祝えないよ
そんな俺を許して・・欲しい。
毎日、後悔しない日はないよ。」

「私を裏切った時、後悔
しなかった?
許せると思う?」

「バカだったと思うよ。」

「私は家族で彼女は恋人
なんじゃなかったっけ?」

「家族だ‼
穂乃香はずっと、俺の妻だった
甘えてたんだ、高校の頃から

もう遅いけど、頼られる男に
なりたかっ・・・た‼
ゴメン、今更だよな‼」

「へ━━━━‎ ⊙⊙!!
妹か、姉さんを嫁に出した
気分じゃないの?」


「・・・・違う、全然違う‼」
蹲り陽仁は肩を震わせていた。

「子供がお腹にいるのなら
諦めなくちゃいけないんだよな‼」

「うん、そうだよ。」

「穂乃香の好きな男は、良い奴か?」

「ううん、浮気ばかりしてる‼
全然良い奴じゃ無いし!
ハッキリ言えば馬鹿かな‼」


「は?」


「陽仁、反省した?
もう浮気しない?」

「えっ‼」
ボロボロと泣きながら懺悔する
陽仁が顔を上げ

穂乃香を見て・・・・ポカーン‼

「だから、反省した?」

「はん・・・せい?って?
・・・なに?」
泣いた顔を上げた陽仁は
歩いて来る勇人が見えた。

「銀行マンの長瀬さんの提案に
乗ったんだ。
お前が回避しなければ、本当に
穂乃香ちゃんに、男性を紹介する
陽仁が本当に反省していたら
穂乃香ちゃんはお前帰るそうだよ。」

「勇人‼」
勇人の言葉を聞いた陽仁は穂乃香を
見た、ウルウルとした目を
目いっぱい開けて‼



「穂乃香ァ~本気かぁ~‼
あ”りがどう~
じゃあ妊娠は嘘か?」

「嘘だよ。」

「穂”乃”香~い行くぞー」
ガバッと立ち上がった陽仁は
穂乃香の手を握りパンパンの足で
駆け出した。

「え‼ 行くって何処へ?」
走りながら穂乃香は聞いた!

「市”役”所だ━━━━━ァ
穂乃香の気が変わらないうぢにぃ
いぐぞ━━━━━━ぉ”」

「ちょちょちょっと━━━━━お
結婚式始まるじゃん
ダメだよ〜‼」

「今日朝のテレビの占いで
迷わず行動って言ってたんだー
此処で迷ったら駄目だ‼
迷わないぞ!ハンコも買わないと‼」

「え?えぇぇ━━━━━━‼」

それから無理矢理強引に
テレビの占いに沿うように
籍をいれた。

今穂乃香は妊娠中
由美子先輩の子供も生まれ
茉奈の子供も臨月に入った。



ヤンキー上がりのドスの効いた
由美子先輩の、怒りをまともに
食らった陽仁はもう浮気は
出来無いだろうなぁ。

何故か陽仁以上に支店長も
ビビってしまっている。

結婚報告をした時は
おまえもバカか?💢
と叱られた。

朝ごはんの用意をしながら
テレビをつける。
陽仁のお気に入りは、今日の占い
元の体型に戻ったイケメンな
陽仁を見ると

「大丈夫だよ‼」
と直ぐ返事が来る。
目は口ほどに物を言う、昔の人は
よく言ったものだ。

今日の朝の連ドラが終わる頃
陽仁は家をでる。

私も今日は、
茉奈と先輩とランチだ。



終わり‼️







皆様へ

家事の間とか、電車の中でとか
昼休みの時間とか
ちょっとした時間に 読んで
もらえると嬉しいです。

自由に書いて自分も
たのしんでいます。
気に入らない所もあったと
思いますが読んで下さり
ありがとうございます。
全作品こんな書き方ですので
批判はあると思います。

好きに書いて自分で楽しんでます
趣味の領域なので笑って許して
下さいませ。

なので、我慢強く読んで
くださった皆さん
感謝です。
ありがとうございます。

ルミン。
< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:32

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

都合のいい女の間違った育て方
ルミン/著

総文字数/123,523

恋愛(純愛)34ページ

表紙を見る
DRAGON  の赤い宝石
ルミン/著

総文字数/159,374

恋愛(キケン・ダーク)32ページ

表紙を見る
オレンジ色のROMANCE
ルミン/著

総文字数/65,995

恋愛(キケン・ダーク)53ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop