クールな副社長の秘密~偶然知ったら溺愛されて妻になりました~
不穏な影
 翌日からも桃華はいつも通り出社し仕事をする。

 もちろん、普通に仕事をしていたら副社長である樹に会う機会は殆どない。

 ただ、昨夜から頻繁にメッセージがくるようになった。意外だが、クールな副社長はかなりマメなようだ。

 そして昨夜、樹に送ってもらって帰宅してから、早速ブログを更新した。やっと、本人に許可をもらったのだ。いつものように愛情たっぷりにショップやパンについて紹介した。

 フォロワーからは、いつも以上にコメントが寄せられ大反響だ。そして樹からもパンに対する愛情たっぷりな内容に喜ばれた。

 順調な滑り出しのふたりだが……。


 桃華は、厄介な人達と度々顔を合わせ絡まれ始めた。

 そう、最上階の受付にいる絵理香の秘書課の先輩で、桃華を睨んでいたふたりだ。

 ランチは、絵理香と待ち合わせして食べる事が多いが、この日は絵理香は電話番で時間が合わなかった。

 桃華の部署のメンバーも今日はみんなバラバラで珍しくひとりで食べていた。

 ザワザワと賑やかな食堂に現れた数人の目立つ集団。秘書課の人達だ。

 絵理香の話によれば、秘書課の中に数人、結婚相手でも探しに来ているのか、仕事をしないくせに化粧や男性の目ばかりを気にしている人がいるらしい……。


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