急に目の前に麻美が現れた事で動揺が隠せず、とりあえずエントランスの席に座って話をする事にしたが、妊娠していると言われた瞬間自分の心音しか聞こえなくなった。
 まさかあの時の一瞬で? いや、直ぐに抜いたし、ましてや出してなんかいない。隣で小さく震える亜佑美を抱き寄せる事しか出来ず、何をどうすればいいのか直ぐに判断する事が出来なかった。

 俺は麻美と三年付き合っていたが身体を重ねた回数は数少なく、避妊もしっかりとしていた。
 麻美の話を聞いていたら俺と別れた後すぐにお見合いをしたらしい。俺との子じゃないと分かった瞬間強張っていた全身の力がプツっと糸が切れたかのように抜けた。
 それでも亜佑美はずっと普通を装っているが身体に力が入っていて手は震えている。
本当に辛い思いをさせてしまった。申し訳ない気持ちでいっぱいになる。