今日の仕事も忙しかった。抜歯の予約がいっぱいで今日は先生と殆ど歯を抜いて血を吸っての繰り返しをしていた気がする。
 凄く疲れたので自分へのご褒美として甘い物を買って帰ろうと思い、いつもなら真っ直ぐ帰宅するが今日は少し車を走らせ駅の近くまで来た。
この近くに美味しいと有名なケーキ屋さんがあるのだ。
 楽しみで楽しみでルンルンで運転していた矢先に
見覚えのある姿。
見間違えるわけない、領さんだった。
でもその姿はピシッとしたスーツを着こなし、綺麗な黒髪で後ろ姿からも美人と分かる女の人の肩に手を添え守りように自分の方に寄せて歩いていた。一瞬で悟った。あぁ、あの人が彼女なんだな。あんなに大事そうに肩を寄せて歩くんだ……


 ――嫉妬した。