近所のケーキ屋さんに着いた。
ショーケースには沢山の種類のケーキがズラリと並んでいる。
定番のショートケーキにチョコレートケーキ、チーズケーキ、ベイクドチーズケーキ、苺のムース、フルーツタルト、まだまだ沢山の種類があって悩む。
悩みに悩んだ末に父と母と三個下の弟の分と私で、ショートケーキ2個、苺のタルト2個にした。
箱に入れてもらい、近いので保冷剤は付けてもらわなかった。


「お母さん〜ただいま〜いるー?」

 実家の玄関を開け靴を脱ぎながら大きい声でリビングに向かって話しかける。
 パタパタとスリッパの音が近づいてくる。

「亜佑美!? 何急にっ、早く入りな〜」

「ケーキ買ってきたから皆んなで食べよ」

「お父さんは居るけど賢はいないよ」

 お母さんは専業主婦、お父さんは銀行マン、弟の賢は大学卒業後地元の市役所に就職。
 私はどうも勉強するより実践で動いて覚える方が得意なので大学には行かず直ぐに就職した。

「どっちにするー? 皆んな苺好きだから苺にしてきたよ」

「え〜お母さん迷っちゃう、どっちも美味しそうーお父さんと半分こにしようかな」

「そう言うと思ったわ」

 ソファーに座っているお父さんにはお母さんの行動が読めていたらしい。
 お父さんとお母さんは仲が良い。私も二人みたいな夫婦になりたいなぁと思っていたらあっという間に二十六歳になっていた。周りはどんどん結婚している。多分親も少し心配なのだろう……