一体何が起きてるのか頭がついていかない。
早く携帯を返して欲しくて、早く領さんに連絡を取りたくて、瀬戸さんにイライラしていたのに……
 背中から感じる懐かしい温もり。私はいつの間にか領さんの腕の中にいた。

(え?なんで?)

 もう何でもいい、嬉しくて嬉しくて涙が止まらない。

 領さんに手を引かれ店を出る。
息も切れて汗でワイシャツもビッショリ濡れている領さん。
もしかして走り回って私を探してくれたの? と少し自惚れてしまう自分がいる。

 ギュッと腕を引かれ抱きしめられた。
耳元で息を切らしいつもより少し低い声で「こっち向いて」と囁かれる。
 心拍数がドンドン上がる。
ゆっくり領さんの顔を見るために上を向くとその瞬間私の唇は領さんの唇で塞がれた。
 私は夢じゃないか確かめるかのように領さんの唇に応える。

「……亜佑美……好きだよ」

 ずっと聞きたかった。
 ずっと欲しかった。
 ずっとずっと。

「……っつ……わ、私の方が好きだもん」

 領さんを見上げると笑っていた。
それにつられて私も笑った。
やっと伝えられた。好きって気持ち。