運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~
「私・・・赤ちゃん産んでいいの・・・?」
「・・・」
綾乃の言葉に耳を疑うように、悟は真顔で綾乃を見た。

「あたりまえじゃん。産んでくれるのか?」
一瞬にして笑顔に満ちていく悟の表情。
「産みたい・・・」
悟は手にしていたドライヤーを乱暴に洗面台に置くと綾乃の体を抱き寄せる。
「ありがとう!産んでほしい。」
安心したように、声をあげて喜ぶ悟。

「本当にいいの?悟の運命変わっちゃうよ・・・?」
胸の中で自信がなさそうにささやく綾乃。
「こんなに幸せな運命なら、願ったりかなったりだよ。」

悟の胸の中。
今はただ、悟のこの言葉を信じようと綾乃は心に決め、ぐるぐるとまわる思考を無理やり止めた。
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