運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~
孤独なシンデレラ
夢のような温かな時間だった。

綾乃は悟に手当てをしてもらい、あたたかなスープをおかわりして飲んだ。
壊れてしまった靴の代わりに借りた悟のサンダルはかなりぶかぶかで、悟は自分のサンダルをはいた綾乃を見てお腹を抱えて笑った。

帰宅するときも。ぶかぶかなサンダル姿の綾乃の前に悟は躊躇なくしゃがみこみ、背中を向ける。
「無理です!」
慌てて恥じらう綾乃の足をグイっと持ち上げて、結局悟は店からマンションまで綾乃をおんぶしてすたすたと歩きだした。

「ちょっと、カギ閉めて。」
綾乃をおんぶしている悟は、自分の腰につけているキーケースからカギを出して店の扉の鍵を閉めるように頼んだ。

「これですか?」
照れまくっている綾乃とは正反対にいたって冷静な悟。
「違うこっち。」
一瞬悟が手を離して、バランスを崩した綾乃が悟の背中にしがみつく。
「ははっ!」
笑って「冗談だよ」と再び綾乃をしっかりとおんぶし直す悟。
かなり余裕がありからかっている。
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