三橋さん突然の訪問の五日後、私は金沢駅で改札の向こうを睨んでいた。

「あ……」

それでなくても普通の人よりあたまひとつ背が高いうえに、着物姿の三橋さんはよく目立つ。

「鹿乃子さん……!」

しかしながらこっちだと手を上げるよりも早くあちらが私を見つけ、凄いスピードでやってくる。

「会いたかった……!」

「え……」

思いっきり抱きつかれたおかげで足が……宙に浮いた。

「えっ、ちょっ、降ろしてください!」

「あ、すみません……。
つい、嬉しくて」

足が地面に着き、そろそろと彼から離れる。

「おひさしぶりです、鹿乃子さん。
相変わらず可愛いですね」

促すようにさりげなく私の背中に回された手には、大量の紙袋類が握られていた。
そして、反対の手にも。

「あのー、その荷物は?」

「ああ。
前回、土産も持たずに来てしまいましたからね。
今回はちゃんと用意してきました」

「はぁ……」

三橋さんはドヤ顔だが、いったい幾つ買ったんだろう?
ざっと数えただけで下げられた紙袋類は六つはあった。

駐車場で、今日も母から借りた軽自動車に乗る。