時代は大正時代。
稲荷神・弧之善に運命をいたずらされた紫月は、どうしても恋が実らない少女。
告白するよりも前に恋が破れてしまう為、想いを告白すらしたことがない。
ある日、通りすがりの祠に恋が実りますようにと願いを掛けると、見知らぬ青年が現れた。
青年は自分を神だといい、紫月にいきなり土下座した。
神・弧之善は、紫月の魂に惹かれてしまい、紫月の恋路を邪魔してきたのだ。
怒り心頭の紫月に、自分を好きになってくれないかと望む弧之善。
男性とお付き合いをしたことがない紫月は、弧之善とお試しで付き合ってみる。
お試しとはいえ自分の崇拝する弧之善が人間ごときと付き合うのを許せない葉子は紫月に嫌がらせをするが、紫月はその嫌がらせのフォローで逆に弧之善の良いところを知る。
一方、紫月に想いを寄せるあまり、市井の願いを聞けなくなった弧之善は、人々から見放されその信仰心を失わせていた。
信仰心がなければ神として存在できない。
折しも文明開化によって、神あやかしが信じられなくなった世の中で、まずは神あやかし全般が存在することを証明しようと働きかける紫月。
その案に、弧之善の上司である夜御祖が頷く。
弧之善の臣下である煌や瑛、葉子の協力を得て、数々の自然災害の時に神やあやかしが『姿を現して』その災害を阻止、そして新年が開けた初詣のその時に、居るだけ全ての神あやかしが参拝に来ていた大勢の人間にその姿を見せて、実在することを知らしめる。
低級のあやかしが人間に姿を見れるようにするために煌や瑛、それに葉子は変化の為の術具を用意した。
紫月の案が成功し、紫月は夜御祖から「神に仕えるもの=神子」として地位を与えられる。
地区の神々にとっても、ただの人間と神である弧之善との婚姻は認められなかったが、御子となった紫月と弧之善との婚姻は了承できるものだった。
前向きに交際を再開する紫月と弧之善。
蕩けるほど好いてくれる弧之善の愛情に照れくさく、恥ずかしい思いをしつつも、漸く自分を愛してくれる存在が現れて、紫月も弧之善を受け入れ始める。
そんな時に、煌から好意を伝えられて、動揺する紫月。
そして、紫月の困惑を見透かしたように、弧之善は紫月から一歩引く。
それが紫月の弧之善への気持ちを自覚するきっかけとなった。
紫月は初めて男性に告白し、そして弧之善に受け入れられる。
煌は温かく見守ってくれた。

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