お日さまみたいな温かい君に包まれて
6 雪塚家の事情
7月上旬。

期末試験が終わり、テストが全て返却された。


部屋を片づけてから、前より勉強に集中できるようになり、なんと今回、現代文で過去最高の94点を獲得!

記録更新と久しぶりの90点台に、朝から興奮が止まらなくて。いつもはしないんだけど、嬉しくてお母さん達に報告しちゃった。



「どうかクラスで10番以内に入れますように……」

「また神様にお願いしてるの?」



1時間目の授業後、曇り空に向かって手を合わせていると、目の前にひょこっと東馬が割り込んできた。



「いや、織姫と彦星にお願いしてる。東馬も学年1位をお願いしたら?」

「いや、もうお願いしたからいいよ」



東馬の視線を辿り、壁に飾られた笹の葉をチラリ。


今日は七夕の日。

先日、クラスメイトの男子が突然学校に笹の葉を持ってきて、『みんなで願い事書こうぜ!』と言い出したのだ。



「それだけ? 他には何か書いた?」

「進路と恋愛と人間関係と……色々書いた」

「わぁ、欲張りぃ」

「お前もたくさん書いてたじゃん」



ツッコみを食らい、へへっと笑みを漏らす。


成績以外には、健康と恋愛成就をお願いした。

人目につくから、誰と結ばれたいかは書いてないけど……きっとみんなわかっているはず。
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