お日さまみたいな温かい君に包まれて
3 楽しいひととき
葵side



6月上旬。

ポツポツ降る雨の音をBGMにして、ノートとプリントを入念に確認する。


今日は中間テスト最終日。

教科は保健体育と古典。暗記問題が多いので、何度も書いては口に出して、徹底的に頭に叩き込んでいく。



「おはよー!」

「「おはよー」」



ドアが開く音が聞こえ、走らせていたペンを止めて顔を上げる。


凛々しい印象の整った顔立ち、ほんのり茶色がかったサラサラの髪の毛。180センチ以上ある身長に長い手足。

裏表がない素直な性格で、校内で顔が広いと有名な、クラスのムードメーカーの清水景斗くんだ。



「なぁ清水、晴れ男パワーでこの雨どうにかしてくれよ~」

「いや、いくらなんでも無理だよ!」



今日は朝から雨なのに、元気いっぱいだなぁ。

天気は変わらないけど、湿気でどんよりしていた空気が少し澄んだ気がする。

さすが、3年2組の太陽ボーイだ。


楽しそうに話している彼をぼんやりと眺めていると、パチッと視線が合った。



「っ……!」



咄嗟に目を逸らそうとしたけれど、彼の満面の笑みに視線を奪われ、胸がトクンと音を立てた。

冷房で下がった体温が、胸の鼓動が速くなるにつれてぐんぐん上がっていく。
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