お日さまみたいな温かい君に包まれて
5 作戦開始

おかず交換

──3日後。



「この前はごめんね。今日一緒にお弁当食べない?
んー……もう少し笑顔のほうがいいかな」



いつもより早めに登校し、手鏡に向かって表情を作る。

土日で作戦を考えた結果、まずは一緒に過ごす時間を増やそうと、昼食に誘うことにした。


しかも今日は運良く、1日中曇りの予報。


少し湿気でジメジメしているが、日射しがないため、中庭で食べてもそこまで汗ばむことはないはず。

もし雨が降ってきたら、その時は教室で食べればいい。



「さっきから何やってるの?」

「うわぁ! あぁビックリしたー」



鏡とにらめっこしていると、突如背後に東馬が現れ、肩がビクッと跳ねた。



「ずっと鏡見て、自分の顔に見惚れてんの?」

「ちげーよ、表情の練習してるんだよ。雪塚さんをお昼ご飯に誘うためにな」

「え、わざわざ……?」



苦笑する東馬をよそに、再び鏡と顔を合わせる。

ニコニコしすぎず、無表情になりすぎず……口角はこのくらい上げようかな。



「わざわざ笑顔作らなくても、いつも通り誘えばいいじゃん」

「そうだけど……これにはちょっと理由があって……」



東馬に説明をしていると、ガラガラッと音を立てて教室のドアが開いた。
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