「旅行?」
「そう。桃花と一緒に」
「ふーん……俺と父さんは何日コンビニ弁当食えば良いわけ?」
「あら、違うわよ~。お父さんたちも一緒に行くから、留守番はあんたとさくらちゃんと健吾(けんご)くん」

母親のその言葉に、リビングにどんと置かれている特大ビーズクッションに転がってスマホをいじっていた俺の手は一瞬止まってしまった。

「………ふーん」

ご飯代は置いていくけど無駄遣いしちゃダメよ! と言っている母親の言葉は、右から左へと華麗に流れて行った。