トライアングル 上

キーン!
空高く打ち上がったホームランの打球、、、。
「キャ〜〜〜!!」
叫び声、、、。
山積みの木材の木材と、、、
突き出る梨緒の腕、、、。
ジワリと滲んだ赤い血、、、。

つい先程、
ものの5分程前の出来事が
悪夢のように何度もフラッシュバックし
頭の中で繰り返し再生される。

非情な現実を目の当たりにする。
「梨緒が、、、梨緒が、、、。」
梨緒はどうなってしまったのか?
無事でいて欲しい。
不安。
そして、、、
何で梨緒がこんな目に?
疑念
どうしてこうなってしまったのか?
憤り

いろんなグチャグチャな想いが交錯する。
そんな時目に入ってしまったのは、
木材の横に転がる野球の球。
「やっぱり、、、俺達が、、、梨緒を、、、」
完璧にすべてが結び付いてしまった。
やり場のない不安。
どこにも向けられない怒り。
それが
その球を見ると、どうしても我慢できずにこぼれてしまった。

「、、、お前が悪い、、、。」
ボソッと亮輔が力なく小さく呟く。

「、、、あ!?」
なんとなく聞こえた小言に祐介が反応してしまう。

その態度に火がついたように亮輔が祐介に飛びつく!
「お前が!お前が!」
胸ぐらを掴んで祐介の身体を思い切り前後に揺らす。
「お前の打った球で、、、梨緒が、、、!!」
泣きそうなクシャクシャな顔で。

無抵抗に身体を振らされていた祐介が
ドン!
眉間にシワを寄せ、怒りを顕に亮輔を突き飛ばす!
「ふざけんな!あんなもん事故やないか!!」
直立で頭を斜めに傾け顎を突き出し
挑発するかのようにガンを飛ばす。

「〜〜〜!!」
言い捨てた祐介の言葉に
倒れ込んだまま首を左右に大きく
その言葉を振り払うように何度も振る亮輔。
「、、、事故、、、」
そんな言葉で解決して欲しくない。
出来るはずがない!
「うわ〜〜〜!!」
直立している祐介を押し倒し、馬乗りになった。
だって、、、
俺らのせいで、、、
もう思いは止まらなかった。

右腕を大きく振り上げる。
その時、亮輔の拳が金色に輝いた。


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