嫁入り前の懐妊契約~極上御曹司に子作りを命じられて~
三章 真白の夢
 自らの残したキスマークが消える前に。そう宣言した通り、礼は毎夜のように美琴を抱く。

「ま、待って」
「悪いが、もう待てない」
「あ、あぁ!」

 吐息も、肌も、体温も、混ざり合ってどちらのものかわからなくなる。彼のすべてが美琴を埋め尽くしていく。絶えず送りこまれる快楽の波に溺れ、抗うことなどできなかった。
 美琴は無我夢中で彼の背中にしがみつく。

「礼さん、礼さんっ」

 ようやく開放された美琴は荒い呼吸でぐったりと布団に横たわった。すぐ間近に見える彼の広い背中には、無数の爪痕が刻まれていた。

「あ……ごめんなさい。私、夢中で気がつかなくて」

 無意識に爪を立てていたのだろう。なめらかで美しい肌に傷をつけてしまったことを美琴はわびた。
 礼はごろりと隣に寝転ぶと、美琴を自身の胸のなかへと抱きよせた。

「気にするな。君にしがみつかれるのは案外気に入っている」

(もう。また……)

 礼は無自覚にこういう発言をするから困ってしまう。勘違いが加速してしまいそうだ。

「俺との夜は慣れてきたか?」
「慣れないです、ちっとも」

 むしろ、礼と夜を重ねる度に美琴の心拍数も増していってるように思う。初めてより今夜。今夜より明日が、ずっとずっとドキドキする。
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