寄り添う花のように私はあなたの側にいたい
第4話 婚約者
ある日、お客様が尋ねて来た。

「どなたが来たの?」

ちよさんに聞くと、彼女は私を廊下の奥に連れて来た。

「小花様は、近づかない方がいいと思いますよ。」

「えっ?」

そして、お父様の声が聞こえてきた。

「これは、さわか嬢。よく来て下さった。」


さわか嬢?

保さんの、婚約の話に出ていた人だ!


「本日はお招き頂いて、ありがとうございます。」

涼やかな声。

さすがは公爵家のお嬢様。

「息子は、もうすぐ帰ってくるのでね。客間で待っていてくれるかな。」

「はい。」


そう言えば私、婚約の話を聞いて激情しちゃったけど、どうなったんだろう。

保さんは、断ったと言うけれど、さわかさんがここに来たと言う事は、お見合いの話は、進んでいるのだろうか。

「小花様……」

ちよさんは、私に気を遣っている。
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