陽佳国第三皇子の李 成珀(り せいはく)は、年の離れた優秀な二人の兄を持ち、皇帝である父からも甘やかされて育った。
 毎日行われる公務にも顔を出さず、絶好のサボり場所を探していた。
 ある日、成珀は陰湿じみた書庫へたどり着き、王 楓蓬(おう ふうほう)と出会う。
 楓蓬は成珀より二つ年上の国唯一の女性文官で、父の代わりに宮城の書庫を扱う部署に所属していた。
 第三皇子だと身分を明かしても素っ気ない態度の楓蓬に、成珀は少しずつ興味を抱いていく。

 しばらく経ち、成珀は長い前髪のせいで前方不注意に陥った楓蓬を助けた。
 出来心で楓蓬の前髪を上げた成珀は、初めて見た楓蓬の恥じらいを含んだ表情に心を奪われてしまう。
 初めての感情をどう扱えばよいかわからず、成珀はじれったい日々を送る。

 悶々と考えることに疲れ、成珀は許嫁の楊妃(よう ひ)を訪ねる。
 うじうじとする成珀に、「楓蓬ちゃんに惚れたんじゃないの?」と楊妃は爆弾を落とした。自覚して楓蓬の顔も見れず、傍若無人の面影の無い成珀に、しぶしぶ楊妃も応援する羽目になる。

 成珀が初恋を自覚してからしばらく。楓蓬の泣いている姿を目撃し、文官から嫌がらせを受けていたことが発覚する。
 その後、皇帝から成珀と楓蓬に呼び出しがかかった。
 楓蓬の祖父は若い頃、今上皇帝の右腕として手腕を揮っていたが、褒賞を与える間もなく急死。皇帝は今更ながら恩義に報いたいと楓蓬に成珀の後宮入りを申し出た。
 しかし楓蓬はあっさり断る。皇帝は残念がるも、いつでも待っていると成珀の心中を見透かしていた。
 書庫への帰路、成珀は楓蓬に不安にしたくないと思いを告げ、楓蓬は成珀を意識するようになる。

 その後、放浪癖のある第二皇子・李 紘蓮(り こうれん)が帰還し、月夷国の皇女が紘蓮に嫁入りすることになった。
 祝福する宮城とは裏腹に、楊妃は日に日に元気を無くしていく。
 成珀と楓蓬は、楊妃と紘蓮が両片思いであることにたどりつくが、皇女の嫁入りは近い。どうしたものかと悩んでいたところ、宮城に侵入者が現れた。
 侵入者は皇女こと月夷国の末子・ミャン本人で、自分と楊妃がすり替わり、二人が幸せになれる道を提案した。

 無事に計画は達成され、二人の幸せそうな姿を見て、楓蓬もようやく決意した。
 そして成珀と楓蓬は誰も居ない後宮の庭でようやく結ばれる。

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