丸重城の人々~前編~
「あ、そうだったんだ…びっくりした……。
だったら大丈夫です。でもこそこそしなくても、普通に呼べばいいのに……。事前に話していただけたら、私大丈夫ですよ?」

「あ、でもこの事は誰にも話さないでくれますか?」
「え?」
「あまり人には言えない恋なんで……」
「え…不倫、とか…?」
「え、えぇまぁ…」
「そうなんですね…」
「あの、じゃあ私達は…」
「あ、そうですね!おやすみなさい…」
「はい、おやすみなさい」
柚希が部屋に戻る。

「びっくりしたなぁ…てか、なんだよ?不倫って…。俺、結婚してねぇし!」
「咄嗟に出たの!」
「でもよく信じてくれたな…あの子」
「そうね……でもあの子って言うけど、年上よ!彼女確か28じゃないかな?しかも大翔くんの奥さん」
「マジかよ!見えねぇ…。しかも可愛いし…なんで、アイツばっか!」
「また……すぐ惚れるんだから…」
「でもお前だって、大瀬のこと…」
「うん…めっちゃカッコよくなってた……。
全然、私のこと覚えてなかったけどね…」
「だろうな……。ほとんど来てねぇしな!アイツ」

そうこの二人、大翔とは高校の時の同級生なのだ。
でも大翔は、ほとんど学校に行かず暴走族の人達といたのだ。

そしてこの肥村 市子と、馬場 晴生(ばば はるお)ある目的を持ってここにいる。
晴生は、大翔に恨みがあり復讐する為に、大翔に惚れている市子と協力して、ここに来たのだ。
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