「ただいま」
「あ、おかえりなさい。電話なかったけど、大丈夫でしたか?」
「はい」
「そうですか…よかったぁ~」
可愛い…。
確かに、守ってあげたくなる程に。
女性の自分から見ても、お姫様のようだ。
でも大翔を好いている市子にとっては、嫌いでしかない。

「あの、手伝いますね?」
「いえ、大丈夫です」
「あ…そうですか…」
つい、トゲのある口調になってしまった。
「失礼します」

その日の夜。
市子の歓迎会と、広子のおかえりなさい会をしたいとの、柚希の希望で、響子と玄が帰ってきてから、飲み会をすることになった。

「あれ?市子ちゃん、ビールこれじゃないわよ?」
「え?すみません!」
「おつまみも、これは大翔が食べないわ!」
「え…」
「柚希ちゃんと一緒に行ったんじゃないの?」
「え?柚希さん、お忙しいみたいだったので……」
「そう…どうしようかしら。またうるさくなるわね…みんな」
「あの…」
「めんどくさい住人なのよ!まぁ私にとっては可愛いんだけどね!」

「でも怖くないんですか?広子さん」
「え?怖い訳ないでしょ?私は大中兄弟の育ての親よ!酷かったんだから…!二人とも。最低最悪に……。
警察に何度行って、謝ったことか!
怖がってなんかいられなかったわ!」
「そうでしょうね」
「だから、可愛いもんよ!今は。将大くんなんて、ヤクザ若頭ってゆうけど、私にとってはガキね!」
「凄い……」
「でも柚希ちゃんに出逢って、みんな穏やかになったわね……ほんとに。
だから感謝してるし、みんなも大切にするのよ!」