コンコン━━━━
「早苗さん、コーヒー持ってきたんだけど、飲みませんか?」
「はい。どうぞ」
ドアを開け、柚希が中に入る。
「仕事、お疲れ様です。コーヒーここに置いておきますね」
「柚希さん、ありがとうございます」
「大変ですね…お休みの日まで」
「いえ、楽しいから!」
「そっか…じゃあ、お邪魔しました」
「こちらこそ、ありがとうございました。いただきます」
早苗は企画物の書類を作成していた。
明日提出する書類だ。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
次の日の朝食後。
片付けをしていた、柚希。
「あれ?この書類……。
あっ!今日提出するって言ってたやつじゃ……」
とにかく、早苗さんに電話を。
電話を何度もするが、出ない。
どうしよう……。

「届けに行った方がいいよね?」
でも、一人じゃ……。
あいにく今日は大翔は仕事、中也は用事があり早々に出かけ、響子も同伴、広子も買い物に出ている。
でも…………
最近毎日遅くまで、書類作成をしていた早苗のことを思う。
怖いなんて言ってられなかった。

そして書類を握りしめ、震えながら早苗の会社に向かった。
なんとか会社までたどり着き、再度電話する。
『もしもし』
「あ、早苗さん?書類…家に、忘れてて……はぁはぁ。今…届けに……」
『え?ほんとですか?助かります!』

「柚希さん!ありがとうございました!」
「はぁはぁ…」
「え?柚希さん…?大丈夫ですか?震えて…。
どうしよう…」
「大丈夫…です……早苗さんは、仕事に…」
「でも、そんな訳には…。
とりあえず、大翔さんに電話を…ちょっと待ってて下さい!」

「………繋がらない…。
じゃあ、中也さんに」
結局大翔に繋がらず、中也に迎えに来てもらうことに。
「今中也さんが、来ますから…」
「はい…」