ぽっちゃり令嬢に王子が夢中!
1 おやつを食べていました

「イーリス。マフィンを余分に作らせてあるから、もらってきなさい」

「ありがとうございます! 王妃様!」


私はイーリス・レントリ。
政務官の父から推薦を受け、宮廷で王妃アレクサンドラ様の侍女をしている。

 
「あら、イーリス。なにか嬉しい事でもあった?」

「ええ。マフィンを頂けるの!」

「そう。よかったわね」


今すれ違ったのは、衣装係のドーリー。
宮廷内ではいろいろな事が起こるけど、私はみんなによくしてもらっている。

理由は自分でもよくわかっている。
私は、美しくない。
少し太っているし、顔も平凡でぜんぜんモテない。

だからいろいろな派閥があるけれど、誰にも相手にされなかった。
敵がひとりもいないのだ。
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