森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 そこまで話し終えて、ジョージはふぅと息を吐いた。

(長々しい説明、お疲れ様です)

 エディはそっと、斜め右の席に座るジョージへ労うような視線を送った。

 それから、彼が持っている分厚い本へと目を向ける。

 背表紙には『魔獣の初恋Ⅱ』と記載されていた。

 著者は、マリー・クララベル。ジョージの上司にあたるそうだ。

「魔獣保護団体では、獣人になった魔獣の保護が主な任務(しごと)となっています。ロスティ国としては、強靭な肉体と人間離れした力を持つ彼らは、喉から手が出るほど欲しい人材です。魔獣保護団体が保護し、見事恋を成就させることは、国をあげて助力すべき一大事とされています。我が国は実力主義なので、見事獣人から人になった方々は、もれなく軍の上層部に名を連ねているのですよ」
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