20歳も年上の国王の腹心である侯爵との結婚から逃れるため、従者のロブを振り切って家出をした伯爵令嬢のリリーシャ。

船に乗り込み、新大陸へ渡ってパン屋を開く事を夢見ていた。しかし乗り込んだ船は海賊に襲われる。そこで偶然見てしまったのは、海賊のリーダーの男、ライルの素顔。彼は数年前のクーデターで消息を絶った、王子殿下だった。
口封じのために、拉致されたリリーシャは彼の取り仕切る島で何故か彼の嫁として過ごす事になる。

最初は、「嫁なんて一時期のフリ」「彼の気まぐれ」などと本気にしていなかったリリーシャだが、仲間や新大陸の人々を守ろうとするライルの信念や島で無邪気に過ごす彼の姿を見て次第に惹かれていく。
リリーシャが来るまでライルを狙っていた女性達との諍いや、航海先で他の海賊の襲撃を受けたりするなどしながら2人は距離を縮めて行く。

そしていよいよお互いの気持ちが通じるかと言うところで、従者のロブに見つかってしまう。彼は屋敷を辞めてリリーシャと生きるために彼女の消息を探していた。ずっと主従ではない感情を持っていたと告白した。
一緒に島から出ようと言うロブ。ロブとの関係に勘違いして嫉妬して冷たくなるライルとはすれ違ってしまう。最終的にリリーシャはライルと共に生きたいのだと、告白する。

ロブが旅立ち想いが通じあった2人は、幸せに平穏な日々を送る。
しかしそんな中でライルが航海中に怪我をする。
どうやら相当な無茶をしているらしい。そしてその理由が、リリーシャへ捜索の手が伸びていることと関係している事を知る。
このままではライルがリリーシャを守るために危険を犯すだろう。そうなれば、彼を追い落とした国王に彼の存在がバレてしまう。彼のそばにいてはいけないと決心したリリーシャは、ライルの怪我が治るのを待って、彼の部下の力を借りて島を抜け出して消息を絶つ。

数年後、新大陸でロブと共にパン屋を開くリリーシャ。そこには幼い女の子が。
そこに突然、ライルがやってくる。彼は再度クーデターを起こして国王に返り咲いていた。全てはリリーシャを取り戻すため。リリーシャと、初めて見る自分の娘を前に、「世界一のパン屋を雇いに来た。ついでに王妃の仕事も少しやってくれるとありがたい」と言って悪戯めいて笑った。


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