殺戮学園
地獄絵図
どしゃ降りの雨が降る校庭に現れた小又兄弟を見つけた生徒たちが悲鳴を上げ、蜘蛛の子を散らすように、校庭を走り出した。


たくさんの人を惨殺した小又兄弟の白いワイシャツは返り血を浴びてまばらに赤く染まり、彼らの雰囲気をより不気味なものへと変えていた。


小又兄弟の姿を見た真美の頭の中に陽子が殺されたあの瞬間が蘇る。


小又兄弟は人間の姿をした残忍な悪魔だ。


彼らの心には良心というものが少しもない。


彼らは人を殺すことに、最高のよろこびを感じているホンモノのサイコパスだ。


「ゲヘッ、ゲヘヘヘッ。

みんか、校庭に集まってる!

オレたちに殺されたくて集合してる!」


「兄ちゃん、夢野学園の生徒はやっぱりバカだね。

鬼ごっこはバラバラに逃げた方が有利に決まっているのに」


死の恐怖に怯える夢野学園の生徒と違って、小又兄弟はこの命がけの鬼ごっこを子供の遊びのように楽しんでいる。


夢野学園から出られない今の状況を考えると、この学園自体が呪いに包まれているに違いなかった。


そしてその呪いを解く方法は、まだ誰にもわからなかった。


もしかしたら、永遠に呪いが解けないかもしれないと、一部の生徒は思っていた。
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