甘やかし上手なエリート医師に独占溺愛されています

「『で?』って?」
「何か良いことあったんでしょ?」

良いことだなんて悠さんから合鍵を貰ったことしか思い当たらないけど、そんなに態度に出てたかな。恥ずかしい…。

いつだったかもこんな風に問い詰められたなと思いながら、私も反撃に出る。

「それより朱音ちゃんはどうなの?」
「私?」
「私とランチに出るの久しぶりじゃない?最近よく友藤さんと一緒に出ていくの見かけるけど」

すると朱音ちゃんはげんなりといった表情を見せる。

「ほんとあのチャラ男、神出鬼没すぎて…」
「…付き合ってるとかじゃ」
「ない!私はDTを探してるから。話したでしょ?」

お昼の定食屋さんでとんでもない単語を出す朱音ちゃんに人差し指を立てて、私はこくこくと頷いてみせる。

「聞いたけど…」

朱音ちゃんは恋愛だけでなく対人関係において、人より独占欲が強いらしい。何度も嫉妬で恋愛に失敗してきたと、お酒の席で愚痴っているのを聞いた。

だからこそ次に付き合う男性は、出来れば女性経験の少ない人がいいと豪語している。


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