溺愛プロデュース〜年下彼の誘惑〜
火炎に映る涙。

あの後、然さんとは顔合わせる事なく
なんとなく気が重たい心情で翌朝は会社に出社。

彼の元で仕事をしているだけに
会わないといけないのは避けられないのだけれど…
何を話したらいいのか…

「はぁ…」

事務所に新たに置かれた私専用のデスクに腰掛け
まだ来ていない然さんにどんな顔で会うべきか
頭の中はそればかり。

と、ちょうど噂(私の中で)の本人が出勤。

「おはよ、由凪さん」

ニコッと向ける笑顔は
いつも通りに見える。

「さっそくだけど
 今日は俺の仕事、ブランドのメインどころを教えるね」

パソコンを開いて
普通に仕事を始める彼は昨日の事を気にしていない様子。

…とは言っても
気になって仕方ない私は。

「あの、然さん…
 昨日の事なんですけど…」

冷たく突き放した言い方をした彼が少し怖くて
恐る恐る聞いてみる事に。

「あー…うん」

答えづらい質問なのか
一瞬ピクリと反応し作業する手を止めるも
目を逸らして困ったような顔するとこを見ると
触れてほしくないのを察する。
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