愛して先輩っ! XXX
*第3章*

奪ってみろよ

遊園地に着きました。

チケットを買って入場する。



「ねえっ! どれから乗る!?」

「ジェットコースター行くか」

「えっ」



はしゃぐ瑠衣くん。

ジェットコースター押しの祐樹先輩。

顔を引きつらせている星矢くん。

星矢くんは昔からジェットコースター苦手だったもんね。



「星矢くん。私たちは下で待っていようか?」



と、私は星矢くんに聞いたのに。



「だめっ! 奈々ちゃんは、ジェットコースターに乗るの!」

「ええー……」

「僕の隣なんだからね!」



瑠衣くんの顔がぐいっと近くなる。

一歩後ずさりをする私。

すると、瑠衣くんは表情を変えて、私の髪の毛に触れた。



「瑠衣くん、どうしたの?」

「奈々ちゃん、これ……」



瑠衣くんが、私の前髪についているヘアピンに触れた。


そう。

このヘアピンは。



「僕があげたやつ……」



瑠衣くんに彼女のフリを頼まれたときに買ってもらったヘアピン。

今まで、つけるタイミングがなかったから、つけなかったけど。

今日は前髪も邪魔になるかなぁ、と思ってヘアピンをつけてみた。
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