死なないあたしの恋物語
3月
次の登校日の朝、あたしは割れた姿見の前で制服に着替えた。


シワシワになったブラウスも上着もスカートもちゃんとアイロンをかけて綺麗にした。


登校初日というわけでもないのにやけに緊張してしまって、何度も鏡の前で自分の姿を確認する。


髪の毛跳ねてないよね?


制服のシワもとってある。


後は、変なところはないよね?


そうしてグズグズしている間にあっという間に登校時間になっていた。


「よし。今日は学校に行くぞ!」


洋人君と約束したんだもん。


行かないなんて選択肢はない。


あたしは大きく息を吸い込んで、カバンを右手に持ち、部屋を出たのだった。
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