カタブツ竜王の過保護な求婚


「ねえ? あなたにはもったいない話だと思わない? でも有り難く受けるべきよ。そうレグルお兄様に言ってきなさいよ」

「……ですが、私ではユストリスの方もご納得いただけないのではないでしょうか……?」

「そんなこと私には関係ないわ。向こうは王女を望んでいるんだから、あなたで十分でしょう? 私は認めないけれど、一応名目上は王女なんだから」

「ですが……」


 いきなりルルベラの部屋に呼びつけられ――突然なのはいつものことだが——命じられたことにレイナは驚き、どうにか断ろうとした。
 だがルルベラは聞き入れない。

 そもそも自分はルルベラの言う通り名目だけの王女であり、ユストリス側の条件に合わないのではないか。
 それではまたさらにユストリス王国の怒りを買い、戦が始まるのではないか。
 そんな恐れから、レイナはいつもと違ってルルベラの命令に従うことができなかったのだ。

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