シークレットベイビー② 弥勒と菜摘
✴︎


愛し合った翌朝。

目覚めているのかまだ寝ているのか、自分でもよくわからない、そのあわいに。
弥勒(みろく)の腕と肩の間の腋に潜り込んでいて、ふわりと頭を動かしたら、弥勒の素肌に唇があたった。そのまま、肌をじんわり味わう。

あ、弥勒の匂い。

菜摘(なつみ)の微かな動きに、弥勒もまた目覚めているのかまだ微睡んでいるのか、半分無意識でも菜摘を抱きしめる。

あんなあつい夜を繰り返し、何度も満たされて、また欲して、また満たされる。

昨夜、これ以上はもう、というぐらい弥勒でいっぱいになったけど、もう、いま、また彼が欲しい。

昨夜のあつい愛おしさと。
また今、火のついた愛しさ。

弥勒の裸の肩の骨。

腕だけ伸ばして上にあげたら、男の人の鎖骨、指でゆっくりたどりながら、やがて肩の曲がり角は全然菜摘と違うかたさと滑らかさで、それにさらに指を伸ばして二の腕をゆっくり撫でる。
弥勒の腕も好き。
さらに伸ばして今度は手に弥勒の顎、唇⋯⋯ 昨夜も菜摘をくまなく探った⋯⋯ 彼の顔の形、愛しい⋯⋯



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