モブで地味子な私を、超イケメン男子が、かまってかまって溺愛中!

第9話「みんなでワイワイ集団デート」

三島(みしま)のお陰だね。悠真様(ゆうまさま)たちとの集団デート、楽しみよ」

「うんうん、三島に超大感謝(ちょうだいかんしゃ)!」
「サンキュ! 三島。悠真様の友だちだったら、きっと(みな)カッコいいよっ!」
「あは! うきうきするぅ! 三島ありがとっ!」
「うふふふ、三島ぁ、私、待ち遠しいよぉっ!」

 いったんは険悪(けんあく)になったけど……
 成瀬君のとりなしで、今や仲良くなった白鳥(しらとり)さん達から、さんざんお礼を言われてしまった。

 なぜ私がお礼を言われるのか?
 それには、理由がある。
 
 私はなにもしていない。
 成瀬君がしっかりと約束を守ったのだ。

 やっぱり成瀬君は誠実(せいじつ)だ。
 一度(いちど)かわした約束は、かならず守る人であった。

 約束とは……私が取り囲まれた時。
 「白鳥さん達が私と仲良くしたら、皆で遊びに行こう」というとりきめ。
 そう、あれから白鳥さん達と私はよくしゃべるようになった。

 成瀬君のおさそいを私から聞き……
 白鳥さん達が大喜(おおよろこ)びしたのは言うまでもない。
 それで、お礼がさっとうしたという次第(しだい)

 うれしいのは白鳥さんだけじゃない。
 ボッチ体質の私は、大勢の女子は勿論、男子と遊びに行くのは生まれて初めて。
 「楽しいといいなあ」と思い、ドキドキわくわくした。

 ということで、週末(しゅうまつ)の土曜日午前10時。
 集合場所は、電脳都市(でんのうとし)楽葉原(らくはばら)駅前(えきまえ)
 ちなみに誰もが時間厳守(じかんげんしゅ)
 遅刻などしなかった。

 参加メンバーは私と白鳥さんを含め、女子10名、男子は成瀬君始め10名の計20名。
 女子メンバーはウチのクラスの10名。
 あの時、白鳥さんと一緒に私を取り囲んだ子達。
 
 そして気になる男子メンバーは成瀬君の交友関係の広さが分かるメンバー。
 ウチの学校の男子は成瀬君だけ、後は他校の男子であった。
 集団デートならぬ、大人数で遊びに行く事となったのである。

 ちらと成瀬君に聞いたら、子供の頃から仲が良い『おさななじみ』とか、部活の交流試合で知り合い、親しくなった友人たちらしい。

 誰かが期待した通り、全員がイケメン。
 皆、こざっぱりした身なりで、清潔感に満ちあふれたタイプの違う男子。
 きさくでフレンドリー、加えて礼儀正しかったから、女子は私を含め大喜び。

 かんじんのデートコースはいたってオーソドックス。
 スポーツ好きな成瀬君が企画しただけあり、ボーリング、卓球の男女混合団体戦(だんじょこんごうだんたいせん)を皮切りに、おたがいの距離(きょり)をちぢめて……

「ゆい! お前運動、ホントに苦手なんだな」

「うっさい」

 という事で、ランチはハンバーガー屋さん。
 午後はカラオケとゲームセンターで健全?に、わいわい楽しく思い切り遊んだ。

 運動が得意ではない私は、ボーリングと卓球はさんざんだったが……
 カラオケとゲームでばんかいした。

「ゆい、お前、意外に歌がうまいな」

「意外は、ひと(こと)よけいだって」

「ははは、ごめん」

 最後は、私と成瀬君の趣味(しゅみ)反映(はんえい)された企画となった。
 アニメとラノべの品ぞろえがよい大きな本屋さんへ……
 好きな作品の話題で、全員が大いに盛り上がったのである。
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