偽りの夫婦
警告
「ねぇねぇ、お昼一緒しようよ?」
陽愛が勤めるショップ。
鳥羽に、昼食に誘われている陽愛。

「すみません。主人以外の男の人と会うのは、叱られるので無理です」
「今時…そんなこと言う子いるんだね!
そんなに嫉妬深いの?旦那」
「いえ、そうゆう訳じゃ……」
「だったらいいじゃん!」
「じゃあ…主人に聞いて……」
そう言って、その場を外れた。
陽愛は、こんな風に押しの強い人間に言いくるめられやすい。
だからこそ、紫龍にも簡単に洗脳されたのだ。

すぐにスマホを取り出し、紫龍に電話をする。
「あ、紫龍?」
『陽愛、どうしたの?』
「あの…鳥羽さんに、お昼……」
『誘われたの?』
「うん…やっぱ行っちゃダメ?」
『は?
まさか…行きたいの……?』
電話越しなのに、物凄い圧迫感だ。

「あ…いや、そうじゃなくて……」
『ダメだよ…。
陽愛…監禁されたい?』
「や…それは、嫌…!」
『だよね?
俺以外の人間と関わるなら、もう俺以外と外には出れないよ!』
「でも…断れない……」
『今、ショップの方に向かってるから、俺と一緒にご飯食べよ!俺とご飯食べるからって、言って?』
「うん」

通話を切り、鳥羽の方に向かう。
「どうだった?」
「すみません、主人と食べるのでやっぱり、難しいです」
「そう…残念だな……」
「すみません」

その後紫龍から、着信がありショップを出る。

「陽愛」
「紫龍、ごめんなさい!忙しいのに、電話しちゃって!」
「いいよ。陽愛からの電話なら。
じゃあ…行くよ!」
陽愛の手を握る。
車に乗り込もうとすると、

「神宮ちゃん!」
「え?鳥羽さん?」
鳥羽に呼び止められた。
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