37℃のグラビティ
突然決まった転校に、気落ちしているアタシを見兼ねた両親は、長い休みがあれば、その街に遊びに帰ってもいいと、約束してくれていた。


その約束をいいことに、転校して1ヶ月も経っていないにもかかわらず、このゴールデンウィークに、彼氏と親友に会う為、その街へ……


梓の家に泊まりながら数日滞在し、最終日だけは、寛樹と初めてお泊まりをした。


新幹線で約2時間の距離は、高校生のアタシ達からしたら、北極と南極くらい離れてるんじゃないかって感じる遠い距離。


絶対泣かないって思ってたのに……


寛樹に送ってもらった新幹線のホームで、また離れ離れになる寂しさに、大泣きしてしまった。


人目も(はばか)らず、抱きしめてくれた寛樹の温もりを思い出すと、今でも涙がこぼれそうになる。
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