37℃のグラビティ
夕食の時間になるまで、殆どベッドの上で過ごしたアタシは、さすがにこれ以上の体調不良を偽るのにも気が引けて、その食事の席には顔を出した。


アタシが向かいのテーブルに座るなり、


「具合、もういいのか?」


新海が気遣う言葉をくれたのにもかかわらず、アタシは目線も合わせないまま小さく頷いただけ。


もともと愛想のないアタシと変わらないせいか、新海は全く気に留める様子もなく、何食わぬ顔で食事を始めた。


なんとなくお腹は空いている様な気はしてたけど、いざ食べ物を目の前にすると、食欲がわかない。


そんなアタシを本当に体調が悪いと思ったのか、お母さんは早く部屋に帰って寝る様に促すから、アタシは自己嫌悪に陥りながら、ひとり部屋へと戻ることにした。
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