37℃のグラビティ
文化祭も無事に終わり、舞い戻った日常とともに、その変化はやって来た。


Ⅳ組の文化祭実行委員に、生徒会としての内訳表をアタシが届けに行った時の事。


なんとなく視線を感じてその方向を見ると、倉田美紀を真ん中にして、取り巻きの女子二人が、アタシをまるで睨む様に見ている。


アタシは敢えてスルーを決め込み、その場をあとにした。


アタシが倉田美紀に何かした覚えはひとつもない。


その理由を知ったのは、その日の夜にかかってきた新海からの電話だった。


『柚、ごめん』


アタシが電話に出るなり、謝る新海に面食らう。


『倉田に何か言われたり、されたりした?』


そういえば……と痛い視線を向けられた今日の出来事を思い出した。
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