37℃のグラビティ
学校の校門をくぐる瞬間(とき)


転校してもうすぐ3ヶ月が経つというのに、未だにちょっとした緊張が走る。


だけど、今日はそんな緊張に、心が救われた気がした。


気持ちのスイッチを切り替えて、教室へと向かう。


社交辞令にも似た挨拶をクラスメートと交わしながら、さり気なく新海の席を見た。


いつもの如く、もちろん主はまだいない。


そう言えば……昨日の朝まで、新海と一緒だったんだ……


突然思い出して、今更ながらに焦り出す。


新海は学校でも、アタシに気安く話しかけたりするのかな……?


もしいきなりそんな風にされたら……


「アーヤ」信者達の突き刺さる様な視線を想像して、アタシは思わず身震いした。
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