LOVEPAIN⑥
悪い子


「雲雀、早く帰るぞ。

明日も朝早い」


金城さんは、床に転がりケラケラと笑う事を辞めない佐藤雲雀の腕を、

引っ張っている


だけど、佐藤雲雀は立ち上がろうともしない




「広子。俺達も」


成瀬は私の肩を押して、
撮影に使った部屋へと促して来る



私は佐藤雲雀から早く離れたくてそれに従うが、

後ろ髪を引かれるような気持ちが残る





佐藤雲雀の笑い声は、
開けた鉄の扉が隙間なく閉まる迄、

聞こえていた

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