俺が好きなのは、ずっとお前だけ。


「……で? ラブラブな雰囲気だったけど、2人はついに付き合い出したの?」


澄野くんが、楽しそうに聞いてくる。


ラブラブって! どこが!?


「美月、俺はいつでもウェルカムだから」

「い、いつでも!?」


ふと、何人かの視線を感じて教室を見渡すと、成宮さんをはじめとする一之瀬くんファンの女子が、怖い顔でこちらを見ていた。


ひぃっ!


澄野くんの声は大きくてよく通るから、後ろのほうまで聞こえたんだろうな。


「つ、付き合ってませんっ!」


私は、澄野くんに全力で否定した。


女子に、変に目をつけられたくない。


それ以前に、学校の王子様の一之瀬くんと、地味な私が付き合うなんて……ありえない。


ありえないのに……自分でそう思いながら、心の中がモヤモヤするのはどうしてだろう。


< 103 / 341 >

この作品をシェア

pagetop