俺が好きなのは、ずっとお前だけ。
「……で? ラブラブな雰囲気だったけど、2人はついに付き合い出したの?」
澄野くんが、楽しそうに聞いてくる。
ラブラブって! どこが!?
「美月、俺はいつでもウェルカムだから」
「い、いつでも!?」
ふと、何人かの視線を感じて教室を見渡すと、成宮さんをはじめとする一之瀬くんファンの女子が、怖い顔でこちらを見ていた。
ひぃっ!
澄野くんの声は大きくてよく通るから、後ろのほうまで聞こえたんだろうな。
「つ、付き合ってませんっ!」
私は、澄野くんに全力で否定した。
女子に、変に目をつけられたくない。
それ以前に、学校の王子様の一之瀬くんと、地味な私が付き合うなんて……ありえない。
ありえないのに……自分でそう思いながら、心の中がモヤモヤするのはどうしてだろう。