「……っ。やっば。美月に初めて、かっこいいって言われた」

口に手を当てて、顔を綻ばせる一之瀬くん。


かっこいいなんて、一之瀬くんは日常的に言われてるのに。そんなに喜ぶなんて。


「ああ、他の人に言われるかっこいいよりも、何十倍も何百倍も嬉しい。心に沁みる」


息を飲むほど柔らかな笑顔を見せられ、胸の鼓動が大きく跳ねる。


そんな笑顔を見せられたら、意地悪されたことも、もうどうでも良くなっちゃう。


「なぁ、美月。俺以外の男のこと、かっこいいとか言ったらダメだからな?」


え?


「俺、努力するから。美月にかっこいいって思ってもらえるように」

努力しなくても、一之瀬くんはもう十分かっこいいのに。


「あと、サッカーももっと頑張るから。
今日みたいにまた、練習見に来てよ」


「わっ分かった。また行くね」


一之瀬くんは、「よっしゃ」とガッツポーズして、子どもみたいに無邪気に喜んでいる。


ふふ。なんか可愛い。


自分の発した何気ない言葉でこんなにも喜んでくれる一之瀬くんを見て、心がポカポカと温かくなるのを感じた。