俺が好きなのは、ずっとお前だけ。

◆好きだからこそ〜朝陽side〜



俺が保健室を出て廊下を歩いていると、向こうから前島が歩いてきた。


「一之瀬、美月ちゃんは?」

「……保健室にいる」


「そう。あのさ、僕、一之瀬に話があるんだけど」

「……何?」


俺は職員室に寄り、養護教諭の先生に声をかけたあと、前島と誰もいない空き教室に移動した。


「一之瀬、一応聞くけど。君、美月ちゃんが好きなんだよね?」

「ああ。好きだけど?」


何を聞いてくるのかと思えば。


「さっきの階段突き落としの件。元はと言えば、君のせいで美月ちゃんはあんな目に遭ったんだろ?」


俺のせい……。そうだな。


< 209 / 341 >

この作品をシェア

pagetop