俺が好きなのは、ずっとお前だけ。


それから10日程が経ったある日。

校庭の桜の木もすっかり葉桜へと衣替えした。


朝、俺が登校してくると、美月はすでに教室に来ていた。


「おはよ、美月」

「おはよう、一之瀬くん」


ああ……好きな子と毎朝、同じ教室で挨拶を交わせるって、やっぱり嬉しいもんだな。

美月とはクラス替え以降、少しずつ会話する回数も増えてきたし。


同じクラス、最高。ありがとう、隣の席!


美月のほうに目をやると、机の上には日直の日誌が置かれていた。


黒板の右端の下の、今日の日直の欄のところに、『古賀』と書かれている。


そう。美月は今日、日直だもんな。


「あれ? 一之瀬くん、日直でもないのに来るの早いね?」

「いや……ちょっと予習しようかなと思って」


……なーんて。


実は、今日美月が日直だということを知っていて、俺も今日はいつもより早めに来たんだけどな。

少しでも長く、美月と一緒に居たくて。


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