蒼春
部員全員で終わりの挨拶をした後、一ノ瀬先輩がやってきた。

「乃蒼ちゃん、ちょっといい?」

先輩に呼び出され、体育館の外に出た。

『どうしましたか?』

「あのさ、15日って予定ある?」

15日…はたしか花火大会の日だったはず。

『何もないですよ。』

それを聞いた先輩は耳を赤くする。

「じゃあ、俺と一緒に花火見に行かない?」

え…?まさか先輩に誘われると思ってなかったので、目を見開いてしまう。

『い、行きます!』

「ほんと?よかったぁ〜。」

『あの、何で私なんですか?』

「乃蒼ちゃんと一緒に行きたいところがあるんだ。楽しみにしてて」

『……はい。』

一緒に行きたいところってどこなのか検討もつかないけれど、先輩と出かけられることが嬉しかった。


その様子を見ていたのか、蓮と徳島先輩が物陰から出てくる。

「お前らも行くことになったんだな。」

『楽しんできなよー?あ、そうだ!』

急に何を思い立ったのか、徳島先輩がこんな提案をする。

『もしよかったらさ、4人で行かない?』

「お、いいじゃん!なんか楽しそうだわ。乃蒼と蒼生はどう?」

「俺は別にいいけど。」

『私も賛成です。』

ということで今年の花火大会は、蓮と徳島先輩と一ノ瀬先輩と私の4人で行くことになった。
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