蒼春
そして、気づけば私たちも三年生になって卒業式を迎えていた。

今年は桜が早く咲いて、外には花びらが舞っている。

3年間通ったこの学校に別れを告げる。

最後に、楓と雪ちゃんと3人で話す。

『もう卒業だね。』

『早いなぁ。』

『覚えてる?去年の学園祭の時に、3人でこっそり学校に泊まったこと。』

『あれは忘れられないってー!』

『で、先生が見逃してくれたって言うね?』

そんなやんちゃなこともしたけど、この2人がいてくれたからだ。

『楓、雪ちゃん、3年間どんな時も一緒にいてくれてありがとう。』

そう言い、2人を抱きしめる。

『私も絶対忘れないよ。』

『みんな大好き!』

最後に写真を撮って、お互いの将来の健闘を祈って別れた。


涙が溢れそうになりながら、家族の元に向かう。

すると、久しぶりに聞く声が私を呼ぶ。

「乃蒼ー!卒業おめでとうー!!」

相変わらず私の兄は、私を見つけるのが早い。

『乃蒼ちゃん、おめでとう!』

『え、先輩!』

蓮の隣には徳島先輩がいた。2人は大学を卒業したら、同棲する約束をしたそうだ。

「乃蒼ちゃん。」

一番会いたかった人の声が聞こえる。

後ろを振り向くと、大きな花束を持った一ノ瀬先輩がこちらへ歩いてきた。

1年前よりもかっこよくなった気がする…。

「卒業おめでとう。」

そう言って花束を渡される。

『ありがとうございます!』

「乃蒼ちゃん。」

『?』


先輩はネックレスを私の首にかけてから、向かい合うようにして立つとこう言った。


「俺のお姫様になってもらえますか?」
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