蒼春
晴れの日も、風の日も、雨の日も。

時々アイスやお菓子を持ってきてくれて一緒に食べたりもした。

今まで誰かとこうやって食べ物を共有したり、話をしながら食事をしたことがなかった。だからすごく新鮮で楽しかった。

俺は少しずつ君に心を開いていった。

そして、いつしか“こんな楽しい日々を君と一緒にずっと過ごしたい“、そう思い始めていた。


君が話かけてきてから3週間ぐらいたったころ、悲しそうな顔をしながら君は言った。

『ごめんね、学校が始まるから帰らなきゃ行けないの…。今まで遊んでくれてありがとう。』

透き通るような瞳から綺麗な涙がぽろぽろと零れ落として、地面を濡らしてしまっている。

「そう、なんだ…。こっちこそお礼を言わなきゃだよ。こんな俺みたいなやつと遊んでくれてありがとう。毎日楽しかった。」

そう言って泣き止まない君に笑いかけた。

俺とたった3週間しか過ごしていないのに、別れたくないと泣いている。驚いた。


ああ、君はほんとにやさしいな…。


そして赤い糸で編まれたミサンガをくれた。

『あのね、赤い糸は運命の人と繋がってるんだって。だから私、また???くんに会えるように願いを込めて編んだの!』

ほら、私とお揃いって言って足首に巻かれている赤と青のミサンガを見せてくれた。

「あ、ありがとう!た、大切にする!俺のこともわすれないでね?来年もまた会おうね、…ちゃん。」

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