蒼春
第3章

fifth

乃蒼side

いよいよ大会まで1ヶ月に迫った。

しかし、私たちの学校は大会の前にテストがある。

しかも、バレー部ではテストで赤点を取ると選手に選ばれてても試合に出られないらしい。

今日はテスト一週間前なので、部活が早く終わった。

久しぶりに楓と雪ちゃんと3人で帰っている。

『はぁ~、久しぶりにみんなで帰れるねー!最近マジで忙しかったぁ。』

楓が伸びをしながら言った。

みんな部活の曜日が違うので、一緒に帰ることなど滅多にない。

『そうね。私も最近仕事入ったりしてやること山積みだったな。』

そう話す雪ちゃんは、確かに最近学校にいる時間が少ない気がする。

『そっか、雪ちゃん売れっ子だもんね。CMとかみんな見てるよ!この前のめっちゃ綺麗だった!』

『それな!私も惚れちゃったよ~!』

私と楓がそう言うと、雪ちゃんは

『見てくれたの?嬉しい…。』

と言った。そんな笑顔の雪ちゃんも可愛い…。


駅に着くとそれぞれの電車に乗って帰った。

テスト勉強頑張ろう!

そう気合いを入れて帰ると、玄関に見慣れない2足靴があった。

1つは運動靴、もう1つはローファーだった。

ん?誰のだろう…。蓮の友達かな?

蓮はよく友達を連れてくるので、また誰か連れて来たのだろうと思った。

…テスト前なのに余裕だなぁ。


そんなことを考えながら、ただいまと言って自分の部屋に向かう。

階段を上ると話し声が聞こえた。
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