婚約者に売られたドン底聖女ですが敵国王子のお飾り側妃はじめました
三章 女神
 怪我をした兵の手当をし、熱を出している兵の看病をする。オディーリアはひとりひとりに、丁寧かつ的確な対応をしていく。
 ロンバル軍にいたときとやることは同じだ。だが、どうにもここは……居心地が悪かった。

「女神様が手当してくれたんだ!こんな傷は明日にも塞がるな」

(じゅ、重傷だから……それは無理)

「おぉ、今こちらに微笑みかけてくれたぞ。俺はこの戦で手柄をたてて、大出世するかも!」

(それは実力次第……)

 みな、レナートが吹聴した怪しげな噂を信じこみ、オディーリアを戦いの女神だと思っているようなのだ。
 〈白い声〉を失くした今は、通常の看護しかできないにもかかわらずだ。
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